風俗にやってくる一風変わったお客さん

私は風俗で働き始めてからそれなりに長いのですが、やはりお客さんの中には変わった人もいるものです。それは悪い意味で変わった人もいれば、良い意味で変わった人もいます。印象に残りやすいのは、良い意味で変わったお客さんです。

例えば最近はこんな人と出会いました。先日のことです。私に指名が入ったということで、私はいつものようにお客さんをもてなす準備をしていました。そして準備が終わったところで、お客さんが個室に入ってきました。そのお客さんは、偉く紳士的な雰囲気の中年男性でした。

おじさま、と呼んだらしっくり来そうなほどにダンディな雰囲気が漂っていました。見た目の時点で良い意味で変わっているのですが、その後の接し方も良い意味で変わっていました。
私が性的にもてなそうとするわけですが、そのお客さんはどうしてか性的なもてなしを拒否するような仕草を見せたのです。困惑した私に、お客さんは「話をしよう」と言いました。

たまに風俗嬢として働いていることに対してお説教をしてくるお客さんがいるので、私は思わず身構えたのですが、そのお客さんは普通に世間話を始めただけでした。風俗の中でするにはふさわしくない健全な話ばかりを振られ、私は困惑を継続しつつも楽しくお喋りをしていました。
やがて終了時間が迫り、私はさすがにこのまま終わるのはマズかろうと思い、お客さんに何かしようと考えたのですが、そのお客さんは「話だけで充分だよ」と言ってそのまま去ってしまったのでした。

結局、何が目的だったのかは分かりませんでした。女の子と話がしたいだけならキャバクラに行けばいいのに、どうしてわざわざ風俗へとやってきたのか。その疑問は今も当然解決していません
。ですが、解決していないからこそ、その不思議なひとときを神秘的な思い出として語れるのだと思います。
不思議なお客さんはたまにやってきますが、これほど不思議なお客さんはその人が初めてでした。